音声学的な説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 14:10 UTC 版)
「う段」音を除いては、「ば行」の頭子音は、音声学的には半濁音の「ぱ行」の頭子音と無声⇆有声の関係をとるが、清音の「は行」の頭子音とは関係がない。一方、有声両唇破裂音または有声両唇摩擦音で発音される濁音「ば」は半濁音「ぱ」または清音「ふぁ」の頭子音が有声化したもので、音声学の観点からは、濁音「ば行」と半濁音「ぱ行」あるいは「ふ」を含む清拗音「ふぁ行」が濁音(有声音)と清音(無声音)の関係にある。しかし、例えば「版」は連濁により「はん」→「ばん」「ぱん」と変化するなどの現象は、あくまでも、文法的には「ば」と「は」が濁音と清音の関係にあることを示している。この音声上の対立と文法上の対立の矛盾は、「は行」の頭子音(清音)の古音がおおむね[p]→[φ]→[h]のように変化したことに起因している。
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