鞭 (中国の武器)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/27 01:02 UTC 版)

鞭(べん、ビェン)は中国の伝統的な武器である。乗馬や刑罰に用いる革紐や木の枝で作られた鞭(むち)とは違い、ここで説明する鉄棒状の武器は硬鞭と呼んでいた。ちなみに、軟鞭は多節鞭を指す。
一般的な鞭は90センチメートルほどの鋼、もしくは青銅製の棒で、20センチほどの握り手がある。棒には一定の間隔で竹の節状の突起物がつけられており、接触面を少なくして打撃の効果を高めている。棒は硬く、しなることはない。重量は7、8キログラム。主に馬上にて片手で使用する武器で、両手に2本の鞭を携える者もいた[1]。

鞭が登場したのは唐の時代で、この時期に発展した重装騎兵向けの武器として盛んに用いられた。有名な使い手として、北宋建国に貢献した呼延贊が挙げられる。宋代の小説『水滸伝』では彼の子孫と称し、「双鞭」の渾名を持つ呼延灼が登場しており、2本の鞭を武器としている。
明代の演義小説『説唐演義』では尉遅敬徳が鉄鞭の使い手として挙げられており、これまた水滸伝では彼を倣って「病尉遅」の渾名を持つ孫立が鉄鞭を愛用している。
小説『封神演義』では峨眉山の仙人、趙公明の武器として登場している。趙公明は東晋時代の志怪小説『捜神記』にも登場する来歴の古い神で、現在でも財神・趙元帥として信仰されている。趙元帥は方角にすると北西を司る神で、北西が五行で「水」と「金」を合わせた性質を持つ方角であることから、趙元帥の神像は水を象徴する黒色の髭を蓄え、金を象徴する鉄の冠に鉄鞭(金色に塗られていることもある)、そして虎にまたがった姿である[1]。
関連項目
- 『水滸伝』 - 横山光輝作の漫画。呼延灼、孫立(「孫提轄」と官職で呼ばれている)も登場しているが、執筆当時の資料不足で、呼延灼は紐状のムチ、孫立は槍に置き換わっている。
- 『真・三國無双シリーズ』 - 黄蓋が使い手として登場し、太史慈も双鞭の使い手として登場する。
- 鐧 - 刃がない金属製の角棒が据え付けられた剣状の武器。
脚注
- ^ a b ー篠田耕一 著 『武器と防具 中国編』新紀元社(1992年) ISBN 4-88317-211-2
外部リンク
「鞭 (中国の武器)」の例文・使い方・用例・文例
- 渦鞭毛虫はユニークな姿をしている。
- あなたの御指導および御鞭撻に感謝しています。
- あなたの御指導および御鞭撻に多いに感謝しています。
- ご指導とご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
- 皆様方のご指導とご鞭撻をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます 。
- 引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
- 後任として、鈴木が貴行を担当することになりましたので、私同様にご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
- 鞭を惜しむと子供は駄目になる。
- 彼の推薦のおかげで、私は東京の大学で教鞭をとることが出来た。
- 細縄で鞭を作った。
- シンガポールでは罪人を鞭打ちで処罰する。
- シンガポールでは罪人の背中を鞭で打ったり、杖で何度か叩いたりする。
- ジムは私を侮辱したから鞭でたたいてやる必要がある。
- 彼女は(ここの)大学で教鞭(きようべん)をとる詩人だ.
- 父は大学卒業後, 郷里で 40 年間教鞭をとった.
- 日本で教鞭をとった年月を振り返って, 教えたことよりも学んだことの方がはるかに多いのに気がつく.
- 今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします.
- 佐藤先生はいま母校で教鞭をとっている.
- 鞭打ちの罰を受けなければならなかった.
- 老骨に鞭打って働いている.
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