面舵

実用日本語表現辞典

面舵

読み方：おもかじ
別表記：おも舵

船の舵を右にとり、船の進行方向を右に向けること。反対に左に向けることは「取り舵」という。

（2013年1月16日更新）

デジタル大辞泉

おも‐かじ〔‐かぢ〕【面^×舵】

読み方：おもかじ

１ 船首を右に向けるときの舵の取り方。「—いっぱい」⇔取り舵(かじ)。

２ 右舷(うげん)。

航空軍事用語辞典++

【面舵】(おもかじ)

Starborad side (英) 　　Right side (米)

船舶が右折する事。
日本語における語源は方角の干支表現で３時方向（東）を指す「卯（う）」。
「うのかじ」が訛って「おもかじ」になったものとされる。

英語表現では「Starboard side（ステアボードサイド、舵取り側）」）と呼ばれる。
これは古代の船が舵を取るための板を船体の右舷側に取り付けていた事に由来する。

関連：ようそろ 取舵

ウィキペディア

面舵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2023/06/04 19:55 UTC 版)

面舵（おもかじ、英語: Starboard）とは、船舶の航行において、進行方向右に舵を転ずること。

実際の操船では“おもぉぉかぁじ”と発声する。反対に左に舵を転じる取舵（英語: Port）は、“とぉぉりかぁじ”と発声し、イントネーションによっても識別できるようにしている。

右に進路を変更中は国際信号旗の「E」を掲げる。

語源

十二支相関図。子を頂点（北）と考えると卯が「右」となる。

方角を十二支に分けた場合の卯の方向（東、北を上にすると右）に舵をとることから、卯の舵（うのかじ）が徐々に転じて面舵（おもかじ）と呼ばれるようになったとされる。

『バイユーのタペストリー』に描かれた欧州の古い船（ロングシップ）。進行方向は画面右。ステアリングオール（舵櫂）がスターボード側（右舷）に描かれている。

英語ではstarboard（スターボード）という。これは、昔の船では舵を取るための板（Steer Board（ステアボード））が右舷に設けられており、これが訛って右舷側に舵を取ることをStarboard（スターボード）と呼ぶようになったとされる。今日のように船体中心に舵がないのは、欧州の古い船は船体中央に竜骨（キール）がある構造であったため、中心に舵が設置し難かったためと考えられている。

英語での翻訳の際の注意

1928年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約で統一されるまで、帆船用の指示（Tiller Orders・間接法。Starboardが「左への舵」）と蒸気船用の指示（Rudder Orders・直接法。Starboardが今と同じ「右への舵」）が混在していた。この混乱の代表的な例として、タイタニック号操船ミス説が有名である。

関連項目

• 取舵 - 面舵の反対。「左へ」の意味。
• ようそろ - 原義は直進指示
• 逆針
• スターボード艇優先の原則
• クロックポジション
• 村上水軍 - 面舵・取舵のルーツ

Weblio日本語例文用例辞書

「面舵」の例文・使い方・用例・文例

• 面舵!
• 面舵一杯!
• 面舵（!）（舵手への指図）
• 面舵いっぱい（!）
• 面舵いっぱいに取る