霊華の書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/03 05:41 UTC 版)
幼少の頃から習っていた書にも霊華独特の味わいがあり、しばしば画中に流麗な仮名書で和歌や物語の一節を添えている。書は、初め半嶺から当時流行していた中国の六朝時代や初唐の楷書や、明清の書法を学び、ついで上代様などを広く学んでいる。霊華自身は、『元永本古今集』『筋切』『通切』は、文学史上貴重な遺品なのは言うまでもないことで骨董好きは珍重するが、「二流の書」で自分は取らず、伝小野道風の「新楽譜七徳舞」の木版本を愛好していたという。他にも「香紙切」や、「亀山切」の影響が指摘されている。明治以降、西洋近代の芸術観が日本に入ってきた影響で、それまで「書画」と呼ばれ一体だった書と画は次第に切り離される傾向にあったが、霊華は自分の好みに従い、こうした流れとは無縁であった。
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