電子音による音声合成方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/10 09:16 UTC 版)
「音声合成LSI」の記事における「電子音による音声合成方式」の解説
古くは、様々な周波数や長さから成る電子音の複雑な合成を行って、限られた記憶容量しか持たない電子機器の音声出力などに使われた。鼻にかかったようなアクセントが特徴的な音声を出力するこの方式のLSIは、PC-6001mkIIなどの8ビットパソコンにも搭載された。今日でも旧式の自動販売機に、このLSIを持つ製品が残されている。 この合成電子音を用いる方式の場合、母音と子音・アクセントをコマンド類で制御できるため、動作させるためのデータを少なくでき、また制御も簡単であったため、処理能力や記憶容量に制約のあるマイコン機器に組み込むのに適していた。1970年代後半から1980年代にかけて、ハイテクさをアピールし、他社製品との差別化を図りたい日本の各家電メーカーは多機能化の一環として、競って「しゃべる家電」を市場投入した。 しかしアクセントを強弱で表現する英語の音声出力には十分実用的であったものの、アクセントを音程で表現する日本語等では言語を正確に表現することができなかったため、若干聞き取りづらい音声出力しか行えず、日本では次第に「コンピュータ声」として敬遠され、廃れていった。
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