電場による偏向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 22:17 UTC 版)
ヘルツはクルックス管の両側面にもう一組の極板を取り付け、陰極線を挟むようにした。この構造はごく素朴なCRT(ブラウン管)だとみなせる。もし陰極線が荷電粒子であれば、極板に電圧をかけると電場が生じて陰極線の軌道を曲げ、ビームが照射されている管底の蛍光スポットが横に動くはずである。ヘルツは陰極線の偏向を観察できなかったが、その原因は装置の真空度が不十分だったことで表面電荷が蓄積し、電場を遮蔽していたためだと後に結論付けられた。アーサー・シュスターはより真空度が高い装置を用いて陰極線を偏向させることに成功し、陰極線が正電荷を帯びた極板に引き付けられ、負電荷に反発することを発見した。これは陰極線が負電荷を帯びており、したがって電磁波ではないことの証拠とされた。
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