離散付値
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 03:45 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動数学において、離散付値(discrete valuation)は体 k 上の整数付値である。つまり、関数
であって、以下の条件を満たす。
の値しかとらない自明な付値はしばしば明示的に除外されることに注意する。
非自明な離散付値をもった体を離散付値体(discrete valuation field)と言う。
離散付値環と体上の付値
離散付値 をもったすべての体に対して、 の部分環
を考えることができる。これは離散付値環である。逆に、離散付値環 上の付値 は商体 上の付値に拡張でき、離散付値体 を与える。この体から得られる離散付値環 はちょうど である。
例
- 固定された素数 に対し、0 でない任意の元 に対し と書く。ただし であって は を割らないとする。すると は付値になり、p-進付値(p-adic valuation)と呼ばれる。
参考文献
Fesenko, Ivan B.; Vostokov, Sergei V. (2002), Local fields and their extensions, Translations of Mathematical Monographs, 121 (Second ed.), Providence, RI: American Mathematical Society, ISBN 978-0-8218-3259-2, MR1915966
関連項目
離散付値
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/04 18:40 UTC 版)
体 K の加法付値 v の値群 v(K×) が、辞書式順序で Znと順序同型であるとき離散的であるといい、この様な加法付値を離散的加法付値または離散的一般付値という。特に、上記 n が 1 である離散的加法付値のことを離散付値という。さらに、値群が Z となる離散付値を正規離散付値または正規指数付値という。 例えば、先に挙げた加法付値の例の 2., 3., 4., 5., 6. は正規離散付値であり、n ≥ 2 に対して、例8. は離散付値ではない離散的加法付値である。例7. の様に離散付値にならない加法付値も存在する。 体 K の正規離散付値 v に対して、v(π) = 1 を満たす K の元 π を v の 素元という。すると、K× の元 α は、素元と K の単元を用いて、α = επn と一意的に表現される。但し、ε は K の単元であり、n は整数である。 離散付値 v に関して、以下のことが成り立つ。但し、付値イデアルを m {\displaystyle {\mathfrak {m}}} とする。 付値環はネーター環である。 任意の付値環のイデアル a ≠ 0 {\displaystyle {\mathfrak {a}}\neq 0} に対して、ある非負整数 n が存在して、 a = m n {\displaystyle {\mathfrak {a}}={\mathfrak {m}}^{n}} と表される。つまり、付値環は単項イデアル環である。 特に、v が正規離散付値であるならば、0 ではないイデアルは、n ≥ 0 に対して {x ∈ K | v(x) ≥ n} のかたちに表される。 ⋂ n = 1 ∞ m n = ( 0 ) {\displaystyle \textstyle \bigcap _{n=1}^{\infty }{\mathfrak {m}}^{n}=(0)} が成立する。 任意の付値環の元 a と 0 でない K の元 b に対して、ある正整数 n が存在して、nv(a) ≥ v(b) が成立する。
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