付値と座
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/20 01:40 UTC 版)
代数函数体を研究する重要なツールは、絶対値、付値、座(英語版)(absolute values, valuations, places)と付値体の完備化である。 一変数の代数函数体 K/k が与えられたとき、K/k の付値環を定義する。この環は k を含み k とも K とも異なる K の部分環 O であり、K の任意の元 x に対し、x∈O、もしくは x -1∈O となるようなものである。そのような付値環は、離散付値環であり、その極大イデアルを K/k の座と呼ぶ。 K/k の離散付値は、全射函数 v : K→Z∪{∞} であって以下を満たすものである。v(x) = ∞ と x = 0 は同値であり、すべての x, y∈K に対し v(xy) = v(x) + v(y) および v(x + y) ≥ min(v(x), v(y)) が成り立ち、すべての a∈k\{0} に対し v(a) = 0 が成り立つ。 K/k の付値環の集合、K/k の座の集合、K/k の離散付値の集合の間には自然な全単射の対応が存在する。これらの集合に自然な位相構造を与えることができ、K/k のザリスキー・リーマン空間(英語版)(Zariski–Riemann space)となる。k が代数的閉体の場合、K/k のザリスキー・リーマン空間は k 上滑らかな曲線であり、K はこの曲線の函数体である。
※この「付値と座」の解説は、「代数函数体」の解説の一部です。
「付値と座」を含む「代数函数体」の記事については、「代数函数体」の概要を参照ください。
- 付値と座のページへのリンク