付値環の性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/04 18:40 UTC 版)
付値環は局所環である。 付値環は整閉である。 体 K の付値環の商体は K である。 付値環上の有限生成のイデアルは単項イデアルである。 体 K の 0 でない元 a に対し、a または a−1 は付値環の元となる。 付値環のイデアル全体からなる集合は、包含関係で全順序集合となる。つまり、 a , b {\displaystyle {\mathfrak {a}},\,{\mathfrak {b}}} を付値環のイデアルとしたとき、 a ⊂ b {\displaystyle {\mathfrak {a}}\subset {\mathfrak {b}}} または b ⊂ a {\displaystyle {\mathfrak {b}}\subset {\mathfrak {a}}} が成立する。 R を体 K の部分環とし、R の素イデアルを p {\displaystyle {\mathfrak {p}}} とすれば、K の加法付値 v が存在して、R ⊂ Rv および m v ∩ R = p {\displaystyle {\mathfrak {m}}_{v}\cap R={\mathfrak {p}}} が成立する。 R を体 K の部分環とし、S を R の K における整閉包とすれば、 R = ⋂ v R v {\displaystyle \textstyle R=\bigcap _{v}R_{v}} と表せる。但し、v は付値環が S を含む様な加法付値全てを動くものとする。 上の性質の 4, 5, 6 は、環が付値環となる条件を与えている。つまり、商体が K となる、K の部分環 R が下記のいずれかが(したがってすべてが)満たされるとき、K の加法付値が存在して、R はその加法付値で付値環となる。 R は局所環であり、R 上の有限生成のイデアルは単項イデアルである。 0 でない K の任意の元 a に対して、a または a − 1 {\displaystyle a^{-1}} が R の元となる。 R のイデアル全体からなる集合は、包含関係で全順序集合となる。 このことより、付値環を付値を用いずに定義することができる。
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