阿修羅王とヴァイローチャナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 08:53 UTC 版)
「ヴァイローチャナ」の記事における「阿修羅王とヴァイローチャナ」の解説
渡辺照宏は、 漢訳の鞞盧闍那子はVirocanaの子すなわちVairocanaというpatronymicである。例えばMahābhārata 1によるとAsura VirocanaはPrahladaの長子で弟にKunbhaとNikumbhaとがいて,そのVirocanaの子がVairocanaでその名をBaliと呼ばれこのBaliはHinduismの民間信仰にもよく知られている(J. Gonda :Die Religionen Indines Ⅱ 237f; P. Thomas: Epics, Myths and Legends of India 13; 27; 57; 78)。上記の雑阿,別訳雑阿において婆稚,抜利(跋利)と記されているのはこのBaliであり,婆稚(法華経巻 1; 大方等大集経巻48),跋持(大方等大集経巻47)は他の経典にも阿修羅王の名として記されているからVairocana=Baliと見て良い。 — 渡辺照宏、 「VirocanaとVairocana -研究序説―」 『渡辺照宏仏教学論集』筑摩書房1982年、pp.408-409 と述べている。 宮坂宥勝(高野山大学)は、 AsuraとしてのVirocana及びAsuraの子のvairocanaはスレ―シャ(Suresa)すなわち神々の王たるインドラ(Indra帝釈天)の敵対者として『マハーバーラタ』には7回登場する。 — 宮坂宥勝、 「アスラからビルシャナ仏へ」 『密教文化』1960(47)、1960年、p.15。 と述べている。
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