長大なアレイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/12 18:10 UTC 版)
曳航式アレイは、船体からの距離と指向性によって曳航船の水中放射雑音からの影響を軽減し、ソナーの受波器入口雑音レベルの抑制が期待できる。またアレイ長が艦船の規模によって制約されないことから、必要に応じて長くすることで低周波に対応できる。例えば戦略レベルの対潜戦のための広域捜索に用いられるAN/UQQ-2 SURTASSでは、ソナー・アレイは8,575フィート (2,614 m)、曳航ケーブルは6,000フィート (1,800 m)という長大なものである。また調査船に搭載しての海底地質調査にも用いられており、地震探査のストリーマ(streamer)は、通常、24組以上のハイドロフォンを取り付けた長さ数百フィートのケーブルで構成され、全長8,000フィート (2,400 m)に達する。 しかし一方で、特にアレイを長くした場合、曳航中の母艦の運動性が制約されるほか、巻出し・巻取りに時間がかかるという問題もあった。また、特にアレイが長大なSURTASSでは、荒天時には艦の動揺によって曳航アレイの直線性が維持できずに探知効率が低下する問題があり、SWATH船(小水線面積双胴船)を採用するなど船型上の工夫がなされた。
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