長井との間に亀裂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 14:27 UTC 版)
『ガロ』編集者時代には実質的に編集を任され、社長の長井と二人で多くの新人を発掘した。特に『ガロ』に発表された“既成のマンガのワクを乗り越え、新しいマンガの創造を”と謳った「白土テーゼ」を信奉し、つげ義春以降のマンガ表現に大いなる関心を寄せた(『つげ義春1968』高野慎三)。しかし、「カムイ伝」の第1部が終了する頃から『ガロ』は、徐々に変化を見せはじめる。つげ義春が休筆してすでに1年。間近に迫った“苦難の時代”につげ忠男を柱に、林静一、佐々木マキ、鈴木翁二、大山学らを配し、さらに新人であった仲佳子、棚瀬哲夫、花輪和一などを加えた陣型で乗り切ろうと考えていた。長井は、そのころ、強い不安感や危機感を感じ、他の雑誌で活躍していた作家に助けを求めた。そして、採算無視で、より『ガロ』的=求心的であろうとした権藤の姿勢に長井との間に亀裂が入り始めた。 権藤が青林堂を退職するひと月ほど前には、長井は権藤に「お互い足をひっぱるのはよくないからね」と言った。
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