鉄血政策とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 政治 > 政治活動 > 政策 > 鉄血政策の意味・解説 

てっけつ‐せいさく【鉄血政策】

読み方:てっけつせいさく

ドイツ統一をめざすプロイセン軍備拡張政策1862年行われた首相ビスマルクの「現在の問題演説多数決ではなく、ただと血によってのみ解決される」との議会演説に基づく。


鉄血演説

(鉄血政策 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/30 14:46 UTC 版)

鉄血演説(てっけつえんぜつ、: Blut und Eisen)とは、1862年に当時のプロイセン首相オットー・フォン・ビスマルクドイツ統一について論じた演説の通称。

小国が分立していた当時のドイツを統一することを目指し、軍備拡張を強行したビスマルクの当時の思想を如実に表したもので、彼の「鉄血宰相」というあだ名の由来にもなった。

概要

1862年9月プロイセン議会は政府提出の軍備拡張を進める予算案を否決した。この窮状を打開するため、国王ヴィルヘルム1世はビスマルクを首相兼外相に任命した。数日後、ビスマルクは下院予算委員会で議員を前にして軍備の必要性を訴える演説を行い、次のような言葉で締めくくった。

ドイツが注目しているのは、プロイセンの、自由主義ではなく力なのです。バイエルン、ヴュルテンベルク、バーデンは、それぞれの自由主義を認めるでしょうが、それ故に、自身にプロイセンの役割を割り当てることはないでしょう。プロイセンは、その力を結集し、好機のために保持しなければなりません。好機はすでに幾度も逃してきました。ウィーン条約後のプロイセンの国境は、健全な国家生活にはふさわしくありません。現下の大問題[1]の解決は、演説や多数決によってではなく―これは1848年および1849年[2]の大きな欠陥でした―[3]と血[4]によってなされるのです。

Nicht auf Preußens Liberalismus sieht Deutschland, sondern auf seine Macht; Bayern, Württemberg, Baden mögen dem Liberalismus indulgieren, darum wird ihnen doch keiner Preußens Rolle anweisen; Preußen muß seine Kraft zusammenfassen und zusammenhalten auf den günstigen Augenblick, der schon einige Male verpaßt ist; Preußens Grenzen nach den Wiener Verträgen sind zu einem gesunden Staatsleben nicht günstig; nicht durch Reden oder Majoritätsbeschlüsse werden die großen Fragen der Zeit entschieden – das ist der große Fehler von 1848 und 1849 gewesen – sondern durch Eisen und Blut.[5]

これが後に「鉄血演説」と呼ばれることになり、この演説は小ドイツ主義自由主義者が思い描く外交目標を代弁したものであったが、議会を軽視するものとして大きな反発を招いた。結果として議会は予算を承認しなかったが、ビスマルクは「予算不成立の場合の措置は憲法に規定されていないが、予算不成立だからといって政府が国家運営を停止させることは政府の職責上 不可能であり、それゆえに政府は主権者であるプロイセン国王の負託に基づき国家運営を行うべきである」とする空隙説を唱えて無予算統治に踏み切った。

以後、ビスマルクは「鉄血政策」と呼ばれる富国強兵・対外強硬策を推進して、ドイツ統一へと邁進することになる。

脚注

  1. ^ ドイツ統一問題を指す。
  2. ^ 同年に行われたフランクフルト国民議会を指す。
  3. ^ 武器の喩え。
  4. ^ 兵士の喩え。
  5. ^ Zitiert nach: Wilhelm Schüßler (Hrsg.), Otto von Bismarck, Reden, 1847-1869, in Hermann von Petersdorff (Hrsg.) Bismarck: Die gesammelten Werke, Band 10, Berlin: Otto Stolberg, 1924-35, S. 139-40.

関連項目


鉄血政策

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 10:01 UTC 版)

ドイツ統一」の記事における「鉄血政策」の解説

北部ドイツにおいて最有力国家であったプロイセン王国首相オットー・フォン・ビスマルクは、「大ドイツ最大国家ありながらドイツ系住民多数包含するオーストリア帝国排除してプロイセン中心小ドイツ主義)の君主制によるドイツ統一目指した。彼はいわゆる鉄血演説」を行ってドイツ統一のために軍備拡張政策追求することを宣言した。これを「鉄血政策」と呼ぶ。

※この「鉄血政策」の解説は、「ドイツ統一」の解説の一部です。
「鉄血政策」を含む「ドイツ統一」の記事については、「ドイツ統一」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「鉄血政策」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「鉄血政策」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



鉄血政策と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「鉄血政策」の関連用語

鉄血政策のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



鉄血政策のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの鉄血演説 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのドイツ統一 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS