針刺し事故後の予防使用
【概要】 受傷者は気持ちが動転しているので相談に応じた医師は、落ち着いて情報の提供と受傷者の気持ちを整理して、受傷者が予防内服をする決断の支え役になる。HIVの針刺し事故では99.7%が感染しないのであるから、あるレジメンの有効性を無作為化二重盲検法で証明することは困難である。推定される感染のリスクを元に無治療か、2剤療法か、3剤療法かを選択する。飲むか飲まないかを迷うときは、最初の1回目をとりあえず服用することを勧めたい。
【詳しく】 予防治療のレジメンはHIV感染症の初回療法に準じる。また、なるべく新しく飲みやすい薬を入手できるよう体制を作っておく。発端者が薬剤耐性があれば有効薬を選ぶ。治療開始は数時間以内がよいと勧められているが、動物実験では72時間以後の服薬開始は予防に失敗している。治療期間は4週間とされている。副作用のチェックや心理サポートが必要なので、1週、2週、4週でチェックをする。場合によっては減量や中断もあり得る。薬剤には催奇形性が否定されていないので、被災者が妊婦の場合は十分な検討を行う必要がある。

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