重量分析法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 05:52 UTC 版)
ルビジウムの重量分析法はカリウムやセシウムと同様の方法が利用される。代表的な方法として、ルビジウム溶液に過剰量の硫酸を加えて蒸発乾固させ、得られた残渣に炭酸アンモニウムを加えて重量既知の白金坩堝で強熱することによって硫酸ルビジウムとし、その重量を秤量することでルビジウム濃度が分析される。また、硫酸の代わりに濃塩酸を加えて塩化ルビジウムとして分析することもできる。ナトリウムまたはリチウムを含んでいるものでは、ヘキサクロリド白金酸もしくは亜硝酸コバルチナトリウムまたは過塩素酸を加えて、ヘキサクロリド白金酸ルビジウムもしくは亜硝酸コバルチルビジウムまたは過塩素酸ルビジウムの沈殿を生じさせる方法が用いられる。これらの方法は、エタノールで洗浄することによってエタノールに溶解するリチウムおよびナトリウムの塩を除去することができる利点があり、亜硝酸コバルチナトリウムを用いた方法は特に多量の塩類が含まれる溶液の分析に有用である。しかし、このようなルビジウムの挙動はカリウムと類似しているためカリウムを含む試料の重量分析は困難である。古典的な手法として、ヘキサクロリド白金酸カリウムとヘキサクロリド白金酸ルビジウムのわずかな溶解度の差を利用してカリウムとルビジウムを分離する方法や、カリウムとルビジウムの混合物の全量を塩化物として重量分析し、さらに硝酸銀溶液を用いてこの混合塩化物中の塩素量の定量を行い、重量と塩素量の連立方程式を立てて算出する方法などがある。
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