熱分析
金属が変態を起こす温度、すなわち変態点を測定するためには、その金属を連続的に加熱または冷却しながらその性質の変化を測定する。変態点があれば原子配列が変わるために、加熱の際ならば熱の吸収、冷却の場合には熱の放出が起こる。したがって、温度は連続的に変化しないことになる。このとき、温度一時間曲線を調べれば変態点を特定することができる。この方法を熱分析という。この方法には、温度と物質の重量変化との関係をもとに行う熱重量分析法、試料と熱的に不活性な基準物質との温度特性の変化から行う、定性分析の示差熱分析法DTA(differential thermal analysis)、熱膨張分析による熱膨張計法などがある。
熱分析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 05:22 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動熱分析(ねつぶんせき)とは、物質の温度を制御しながら、その応答を分析する手法の総称。JIS K 0129 では「物質の温度を一定のプログラムによって変化させながら、その物質のある物理的性質を温度の関数として測定する一連の方法の総称(ここで、物質とはその反応生成物も含む)。」と定義されている[1]。プラスチックなど材料の特性を知るために、材料科学・材料工学分野で多用される。
物質は、温度変化によって融解やガラス転移などの相転移、あるいは熱分解などの化学反応が進行する。熱分析では、物質の温度を制御しながらその物理的または化学的性質の変化を測定することで、物質の特性を知ることを目的とする。
手法として、加熱または冷却しながら質量変化を測定する熱重量分析 (TG)、比熱や反応熱の変化を測定する示差熱分析 (DTA) や示差走査熱量測定 (DSC)、機械的性質の変化を測定する熱機械分析(TMA)、動的粘弾性測定 (DMA)、発生気体分析 (EGA)などがある[1]。また、熱分解生成物を分析するものとして、熱天秤とガスクロマトグラフィー、質量分析計を連結したPyro-GC-MSと呼ばれる装置が市販されている。
出典
- ^ a b 津越敬寿「入門講座 分析機器の正しい使い方 熱分析」『ぶんせき』第12号、2017年、 568-574頁。
関連項目
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