水素化リチウム
(重水素化リチウム から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/24 06:10 UTC 版)
水素化リチウム | |
---|---|
![]()
リチウムカチオン, Li+
水素アニオン, H−
|
|
![]()
__H− __Li+ 水素化リチウムの構造 |
|
識別情報 | |
3D model (JSmol)
|
|
ChemSpider | |
ECHA InfoCard | 100.028.623 |
PubChem CID
|
|
RTECS number |
|
UNII | |
CompTox Dashboard (EPA)
|
|
|
|
|
|
特性 | |
化学式 | HLi |
モル質量 | 7.95 g mol−1 |
外観 | 無色または灰色の固体[1] |
密度 | 0.78 g/cm3[1] |
融点 | 688.7℃ [1] |
沸点 | 900~1000℃ (分解[3]) |
水への溶解度 | 水と反応する |
溶解度 | ジメチルホルムアミドにやや溶ける アンモニア、ジエチルエーテル、エタノールと反応する |
磁化率 | −4.6·10−6 cm3/mol |
屈折率 (nD) | 1.9847[2]:43 |
構造 | |
結晶構造 | fcc (NaClタイプ) |
格子定数 (a, b, c) | a = 0.40834 nm[2]:56 Å |
双極子モーメント | 6.0 D[2]:35 |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
−90.65 kJ/mol |
標準モルエントロピー S |
170.8 J/(mol·K) |
標準定圧モル比熱, Cp |
3.51 J/(g·K) |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | ICSC 0813 |
GHSピクトグラム | ![]() ![]() ![]() |
GHSシグナルワード | 危険(DANGER) |
Hフレーズ | H260, H301, H314 |
Pフレーズ | PP223, PP231+P232, PP260, PP264, PP270, PP280, PP301+P316, PP301+P330+P331, PP302+P335+P334, PP302+P361+P354, PP304+P340, PP305+P354+P338, PP316, PP321 |
主な危険性 | 極めて強い刺激性、強毒性、強い腐食性 |
NFPA 704 | |
発火点 | 200 °C (392 °F; 473 K) |
脱出限界濃度 | 0.5 mg/m3[6] |
許容曝露限界 | TWA 0.025 mg/m3[6] |
勧告曝露限界 | TWA 0.025 mg/m3[6] |
半数致死量 LD50 | 77.5 mg/kg (経口, ラット)[4] |
半数致死濃度 LC50 | 22 mg/m3 (ラット, 4時間)[5] |
関連する物質 | |
その他の陽イオン | 水素化ナトリウム 水素化カリウム 水素化ルビジウム 水素化セシウム |
関連物質 | 水素化ホウ素リチウム 水素化アルミニウムリチウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
水素化リチウム(すいそかリチウム、lithium hydride)とは、組成式LiHで表されるリチウムと水素から成る無機化合物である。
概要
水素雰囲気下で金属リチウムを赤熱することによって得られる無色の立方晶系イオン結晶でLi+とH-からなる塩化ナトリウム型構造をとり、Li−H間距離は2.04Åである。融点は680℃で、720℃で分解する。市販品は白から灰色の固体であるが、純粋なものは青灰色である。アルカリ金属の水素化物中で最も安定で、乾燥空気中では常温で分解しないが、光に当たると分解して黒くなる。空気中の水分とも反応する。
水と激しく反応して水酸化リチウムと水素を生ずる。
- 重水素化リチウムのページへのリンク