配置間相互作用法
配置間相互作用法(はいちかんそうごさようほう、英: configuration interaction method、略称: CI 法)は、量子化学において、多電子系におけるボルン-オッペンハイマー近似のもとで非相対論的シュレーディンガー方程式を解くために用いられる線形変分的なポスト-ハートリー-フォック法である。
数学的に「配置」とは、波動関数として用いられるスレイター行列式の線形結合で記述される。軌道の占有数(たとえば(1s)2(2s)2(2p)1...)の観点では、「相互作用」は異なる電子配置(状態)の混ざり合い(相互作用)を意味する。CI計算には必要なCPU時間や巨大なハードウェアが必要なため、CI法の使用は相対的に小さい系に限られる。
ハートリーフォック法では波動関数を1つのスレイター行列式で表すが、CI法では電子相関を考慮するため、スピン軌道(上付きSOで記述される)で構成される配置状態関数(CSF)の線形結合を用いる。
配置間相互作用(CI)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 05:23 UTC 版)
欠けている相関を補正するための最も重要な手法の1つが配置間相互作用(CI)法である。基底行列式としてハートリー–フォック波動関数から始め、補正された波動関数として基底行列式と励起行列式の線形結合 Φ I {\displaystyle \Phi _{I}} を取り、変分原理に従って重み因子 c I {\displaystyle c_{I}} を最適化する。全ての可能な励起行列式を考慮した時は、Full-CIと呼ばれる。Full-CI波動関数中では、全ての電子が完全に相関している。小さくない分子に対しては、Full-CIは計算的にコストが高過ぎる。CI展開を打ち切ると、打ち切りのレベルに応じてよく相関した波動関数とよく相関したエネルギーが得られる。
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