配合の傾向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 10:54 UTC 版)
テシオの配合方針はかなり複雑で、著書『サラブレッドの生産』にまとめられている。配合理論としてはニックスを重視していた(諸説あり)。また配合する種牡馬の選択にあたっては、スピードと早熟性を重視していた。ただしテトラテマのような生粋のスプリンターの種牡馬は起用せず、2歳時に優れた成績を残して3歳時はクラシック競走で活躍できるような、優れたスピードとある程度のスタミナとを併せ持った種牡馬を理想と考えていた。テシオの馬産において重要な役割を果たした種牡馬に、アヴルサックとファロスがいる。 馬産家には、牧場に種牡馬を置いて繁殖に多用するタイプ(「ホーム・ブリーダー」)と、牧場に種牡馬を置かず、手持ちの牝馬と他牧場の種牡馬で繁殖を行うタイプ(「アウトサイド・ブリーダー」)がいる。テシオは明らかに後者のタイプであり、第二次世界大戦中はやむを得ず自分の牧場に種牡馬を置いたものの、それ以外の時期は牧場に種牡馬を置かなかった。これは所有馬全体の血統的多様性を維持するためと、繁殖牝馬の配合相手を選ぶときに欲や身贔屓によって判断が狂わないようにするためであった。自分の生産した種牡馬は次代の生産にあまり使わなかったが、例外もあり、リボーは父系曾祖父のカヴァリエーレ・ダルピーノ、祖父ベッリーニ、父テネラニ、そしてリボー自身と4代続けてテシオの生産である。 安価な繁殖牝馬を導入し、世代を重ねて改良することで成果を挙げた。リボー、ネアルコ、ドナテッロは、いずれもテシオが安く買ってきた繁殖牝馬の孫世代である。ただし特定の牝系の存続にこだわり過ぎるのは得策ではないとも考えており、毎年イギリスのニューマーケットに赴いて新しい牝馬を何頭か購入し、牧場の繁殖牝馬の顔ぶれが固定しないように少しずつ入れ替えていた。
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