郡司の消滅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 17:02 UTC 版)
朝廷の税収確保のため、国司の権限が強化された。これにともない地方官としての郡司の権限は縮小し国司権限に吸収され、郡司の徴税権、および主要な収入源であった出挙の権限も奪われた。各郡にあった正倉の管理も国司が行うようになった。郡司権限の縮小に伴い、郡衙・郡家も縮小・消滅していった。 そのため、それまで郡司を務めてきた地方豪族(郡司層)は、郡司ではなく、国司の権限を分掌する幹部地方公務員である在庁官人の役に就く者が増えた。さらに中世的な郡・郷・保・荘園が成立していく中で、名田経営を行う者が増えた(田堵)。また武力を保持することで、国司・軍事貴族と結びつき、追捕などの際に動員され役を担い、武士団が成立していった。 こうして地方官としての郡司は有名無実化していくが、中世に於いても、郡司・地方豪族の系統を引く武士が「郡司」を名乗っている例も散見できる他、一部の地区では職の一つとして細々と生き残っていった。
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