遺伝子多型の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/23 03:02 UTC 版)
ABCC1遺伝子の特定の多型(polymorphism)は、特定の種類のがんに対する罹病性の増加(がんになりやすさ)と関連していることが示されている。G2168A多型と、遺伝子の3'-UTR領域に見られる多型は、特に中国人集団で肺がんに対する罹病性の増加と関連があることが示されている。G2168A多型の保因者は、遺伝子に変異を持たない者よりもほぼ4倍高い割合で肺がんにかかる。ABCC1遺伝子内の多型も、疾患の重症度に大きな影響を与える傾向がある。これらの疾患の例には、嚢胞性線維症(CF)および慢性閉塞性肺疾患(COPD)が含まれる。嚢胞性線維症に関連して、ABCC1遺伝子の5'-UTR領域にG-260C多型を持つ者は、野生型遺伝子を持つ者よりもはるかに深刻な嚢胞性線維症の症例を示す傾向があった。慢性閉塞性肺疾患は、ABCC1遺伝子の2つの多型の影響を受けた。3'-UTR T866A多型を持っている場合、一般的に気道の炎症が少ないCOPDの重症度が低いケースがあった。一方、3'-UTR G3361A多型を有する者は一般に、COPDの重症度が高く、気道に大量の炎症を伴っていた。
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