遺伝子多型とサルブタモールの効力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/18 01:03 UTC 版)
「サルブタモール」の記事における「遺伝子多型とサルブタモールの効力」の解説
近年、喘息患者の遺伝子多型と薬の効力の関係についての研究が行われており、サルブタモールについてもその効力とβ2アドレナリン受容体の遺伝子多型とのあいだに関連性があることが明らかになっている。 複数の薬理遺伝学的研究によると、受容体の遺伝子型がGly16ホモである喘息患者に比べてArg16ホモおよびヘテロである患者はサルブタモールに対する応答が良い。ただし、コーカシアンと日本人ではその通りであったが、インド人とアフリカ系アメリカ人では異なった結果が出ている。Gly16/Arg16多型とサルブタモール効力のあいだに関連があることは確かだが、単純な関係でないことが示唆されている。また、Gly16ホモの患者においてのみサルブタモールの常用によるピークフロー値減少が見られたという研究もある。 さらなる薬理遺伝学的研究と、受容体遺伝子の多型がサルブタモール効力に影響する機構の解明が待たれるが、将来的に遺伝子診断にもとづいてサルブタモールが処方される日がくると考えられている。
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