運搬ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 02:22 UTC 版)
核兵器の高高度への実用的な運搬手段はロケット(ミサイル)のみである。HANEは敵国の上空やその近辺高空で爆発させる核兵器であるといえる。冷戦下の米ソは互いに大陸間弾道ミサイル(ICBM)などを向け合い、ミサイル攻撃やミサイル防衛の開発競争の過程で複数の核弾頭を高高度で爆発させ、2国ではHANEに関するデータを得た。例えばアメリカが行った最初のHANEである1958年のネバダ州ユッカ(Yucca)での実験は、気球により高度26.2km(86,000ft)で爆発した。ジョンストン島における(Teak実験)はレッドストーンロケットで打ち上げられた核弾頭を高度76.8kmで爆発させた。その後、ソーミサイルやX-17ロケットが使われた。現在は部分的核実験禁止条約(PTBT)により高層大気圏核実験そのものが禁止されている。HANE用の運搬ミサイルは、数100km以上に及ぶ影響範囲の広さから、都市や軍事基地を物理的に破壊するための地上攻撃ミサイルに求められる高い命中精度は不要である。
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