連続写像の定める位相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:42 UTC 版)
位相空間 X から(特に位相を考えない)集合 S への写像 f : X → S {\displaystyle f\colon X\to S} が与えられたとき、S 上の終位相(英語版)は、S の部分集合 A が開集合であるということを、f−1(A) が X の開集合であることと定めることにより定義される。S に予め位相が定められていたとき、f がその位相に関して連続となる必要十分条件は、もとの位相が S 上の終位相よりも粗いことである。従って、終位相は S 上の f を連続にする最も細かい位相となる。f が全射のとき、終位相は f の定める同値関係のもとでの商位相と自然に同一視される。 これと双対的に、集合 S から位相空間への写像 f に対し、S 上の始位相(英語版)は、S の部分集合 A が開集合であることを、f(A) が X の開集合となることと定めることによって定義される。S にもともと位相が入っているとき、f がその位相に関して連続となる必要十分条件は、その位相が S 上の始位相よりも細かいことである。従って、始位相は S 上の位相として f を連続にする最も粗い位相となる。f が単射のとき S を X の部分集合と同一視すれば、S 上の始位相は X から定まる部分空間としての位相と自然に同一視される。 より一般に、集合 S が与えられたとき、任意の位相空間 X への連続写像 S → X 全体の成す集合を特定することにより、S に位相が定まる。双対的に同じことが X → S に対しても考えられる。これは普遍性の一例である。
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