逆ケプラー問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/24 14:40 UTC 版)
逆ケプラー問題を考える。どのような法則に従う力が円軌道ではなくある点を焦点とする楕円軌道(またはより一般的に円錐曲線)を与えるのであろうか? 上の楕円を表わす極方程式を二階微分すると、次を得る。 l d 2 u d θ 2 = − ε cos θ {\displaystyle l\,{\frac {\mathrm {d} ^{2}u}{\mathrm {d} \theta ^{2}}}=-\varepsilon \cos \theta } したがって、力の従う法則は次のように得られる。 F = − m h 2 u 2 ( − ε cos θ l + 1 + ε cos θ l ) = − m h 2 u 2 l = − m h 2 l r 2 {\displaystyle F=-mh^{2}u^{2}\left({\frac {-\varepsilon \cos \theta }{l}}+{\frac {1+\varepsilon \cos \theta }{l}}\right)=-{\frac {mh^{2}u^{2}}{l}}=-{\frac {mh^{2}}{lr^{2}}}} このようにして期待どおり逆二乗則が得られる。軌道パラメータ h2/l を GM もしくは keq1q2/m のような物理的値に置き換えれば、それぞれニュートンの万有引力の法則やクーロンの法則が得られる。 シュワルツシルト座標における実効力は次のように得られる。 ここで、第二項は近点移動などの四重極子効果に対応する逆四乗則項である(これは遅延ポテンシャルからも得られる)。 PPN形式においては、次のような方程式が得られる。 F = − G M m r 2 ( 1 + ( 2 + 2 γ − β ) ( h r c ) 2 ) {\displaystyle F=-{\frac {GMm}{r^{2}}}\left(1+(2+2\gamma -\beta )\left({\frac {h}{rc}}\right)^{2}\right)} ここで、一般相対性理論の場合は γ = β = 1 であり、古典力学の場合は γ = β = 0 である。
※この「逆ケプラー問題」の解説は、「ビネ方程式」の解説の一部です。
「逆ケプラー問題」を含む「ビネ方程式」の記事については、「ビネ方程式」の概要を参照ください。
- 逆ケプラー問題のページへのリンク