車輪と電源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/08 02:58 UTC 版)
車輪はゼネラルモーターズの防衛研究所によって作られた。フェレンツ・パヴリックスは、弾力性のある車輪を開発するため、NASAから特別な承認を与えられた。この車輪は、アルミニウムのハブと直径81cm、幅23㎝のタイヤで構成される。タイヤは、0.84mm径の亜鉛でメッキされた鉄でできた織物から作られた。摩擦を大きくするため、チタン製の板が接地面の50%を覆う。タイヤの中には、ハブを保護する直径65cmの衝突防止枠が設けられ、さらに塵除けが車輪の上から被せられた。それぞれの車輪には、デルコ・エレクトロニクス製の1万rpm、0.25馬力の電子モーターが取り付けられた。 運転は、前部と後部に配されたそれぞれ0.1馬力のモーターによって行われる。四輪操舵で、回転半径は3mになる。 電源は、2つの36ボルトの銀-水酸化亜鉛カリウム一次電池から供給され、それぞれが121 A・hの電力を持ち、92㎞の範囲を走ることができた。これらはモーターを動かすのに使われ、これとは別に36ボルトの電源がLRVの前面外側に取り付けられ、通信装置とテレビカメラの電源となっている。運転の間、ラジエーターはマイラー樹脂製のブランケットによって塵から守られているが、停止した際には、ブランケットを開けて積もった塵を手で払わねばならなかった。
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