超光速航法の定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 23:19 UTC 版)
超光速航法というと光より速いスピードとシンプルに考えるかもしれないが、話はそう単純ではない。例えば宇宙に近道を作るタイプの超光速航法では、光より遅い進行スピードで光より早く目的地に到着する。これは到着が早いのであって、速度が速いのではない。また、速度を計る時計の進みも相対性理論では場所によって異なり、ほぼ光速で飛行している宇宙船内やブラックホールの事象の地平面付近では地球上の我々から見ると時間はほとんど止まっている。すなわち、このような時間の遅れた系にいる観測者が『体感』する移動は、その観測者から見て光速は常に光速であるにも関わらず、超光速航法と全く同じ結果になることがある。 つまりここで言う超光速航法とは、地球上のような弱い重力場中や何もない宇宙空間を光速よりも十分遅いスピードで運動している観測者の持つ時計で測って、出発点と目的地の間の距離を真空中の光速度で割るよりも短い時間で目的地へ到着する航法全般、ということになる。超光速航法を超光速と定義付ける重要なファクターは、多くの場合地球の時計なのである。 これに対し、空間の2地点を「くっつけて」移動する、あるいは何らかの方法で瞬間移動するものをワープという。いずれにしろ超科学的であることは間違いなく、厳密に区別できるものでもない。
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