起源・類話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 23:41 UTC 版)
同じ型の話は古く13世紀成立の『宇治拾遺物語』第三話に見られる。 冒頭で翁の瘤の大きさが「大柑子(おおこうじ)」(大ぶりのみかん)ほどあると描写されるが、これは現在の夏みかんの事だとも推察されている。また、この瘤のせいで人と交わることができず、薪を集めて生業にしていたと、職業が木樵であったことが明確になっている。 また、宇治拾遺物語では、様々な姿かたちの鬼について詳細に書かれており、口のないもの、一つ目のもの、青色を着た赤鬼、赤を着て、たふさぎ(ふんどし)を履いた黒鬼が登場する。また、何か大切なものを質草に取られる場面では、そもそも鬼の方が、こぶは「福の物」と愛でられることであるし、と当時の迷信をとりあげて瘤を取ることに決めそうなところを、翁が口出しして「目や鼻ならば取ってもいいが、瘤だけは自分にとって大切なものであって、それだけは取らないでほしい」と懇願するのである。 また、締めくくりに〈ものうらやみをしてはいけない〉という教訓的な言葉が見られる。 醒睡笑 『醒睡笑』巻1と巻6とに前半と後半とが分離した話が、類話として指摘される。これは1623年(元和元年)には成立していた話である。
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