論理演算とベン図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 03:17 UTC 版)
論理演算をベン図で表すことがある。ベン図は本来は集合についての関係を表すもので、論理演算に対してベン図を用いるのは本来の使い方ではないが、現実には、集合代数と論理演算がブール代数として等価であることから、論理演算を視覚的にわかりやすく表現する手法としてしばしばベン図が用いられる。 論理演算をベン図で表す場合、円は論理演算の入力値を表す論理変数に対応し、円の内部はその変数の値(真理値)が真(1、もしくはT)であること、円の外部は偽(0、もしくはF)であることを表す。論理演算の出力値を真にする入力値の組に対応する領域に斜線を引いたり色を付けたりすることで、入力値と出力値の関係を表す。例えば、図4は左の円をP、右の円をQとして、PとQの論理積 (AND) P ∧ Q をベン図で表したものである。これは集合 A と集合 B の共通部分 A ∩ B を表すベン図と見かけは同じだが、論理演算 P ∧ Q を表すものとみなす場合、円は集合を意味するものではないことに注意が必要である。 左円:P 右円:Q 赤色:真 白色:偽 論理和 (OR) 論理否定 (NOT) 論理積の否定 (NAND) P ∨ Q ¬P ¬(P ∧ Q) 論理和の否定 (NOR) P ↔ Q {\displaystyle P\leftrightarrow Q} 含意(IMP) ¬(P ∨ Q) (P ∧ Q) ∨ ¬(P ∨ Q) (P → Q) ⇔ (¬P ∨ Q) 排他的論理和 (XOR) (P ∨ Q) ∧ ¬(P ∧ Q) 下図は、集合演算を表す場合のベンの方法に対応する表し方で、黒色の領域は「対応する入力値の組合せが起こらない」ことを表す。 左円:P 右円:Q P ⇔ Q P ⇒ Q ( P ↔ Q ) ⇔ t r u e {\displaystyle (P\leftrightarrow Q)\Leftrightarrow {\rm {true}}} (P → Q) ⇔ true
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