語の成立と用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 15:15 UTC 版)
小乗の語は、大乗経典の発展史のなかでは大乗の語よりも遅れて成立しており、大乗の興起した時代の最初期には、大乗が対立する既存の伝統仏教を小乗(hīnayāna)と名指すことはなかった。小乗の語は、大乗経典が成立する過程において、その一部に考案されて用いられ、その指示対象も限定されていた。すなわち説一切有部のみを、もしくはその中の一派のみを小乗と呼んだことが、ほぼ論証されている。小乗の語が出現した時代に小乗と名指された部派仏教がこれを自称したわけではない。三枝充悳は、小乗という語が濫用されるのはごく特殊であるとしている。
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