試験・調査結果からの議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 03:48 UTC 版)
「学力低下」の記事における「試験・調査結果からの議論」の解説
高等学校教育課程実施状況調査 調査を行った国立教育政策研究所は、「(学力は)改善の方向に向かっている」と分析したが、同じ内容の問題で正答率が前回より上回った問題は26問しかなくしかも化学(理科)など特定の科目に偏っていたこと、文部科学省が設定した想定正答率を下回る問題が多いなどの課題もみられた。 苅谷剛彦他の調査への異論。 神永正博は苅谷の挙げたデータは「別の見方もできる」と主張し「落ちこぼれが減り」、「理解度の格差が収縮している」と指摘、そして言葉を選びつつ「(主観的な)理解度は平均的にみて少なくとも悪化していないのではないだろうか」と述べている。 苅谷は、こうした現状を見ずに「ゆとり教育」と「詰め込み教育」という2つの立場でしか状況を把握しない振り子理論や、「学力とは何か」という水掛け論を非難している。また、学力調査に付随する家庭環境に関する調査が、欧米では当たり前に行われているのに、日本では行われておらず、学力低下の原因を把握できない現状を指摘した。そして不平等が拡大する中で、義務教育が果たすべきセイフティーネットとしての役割を議論すべきとしている。
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