記憶喪失者の法益の保護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 17:23 UTC 版)
記憶喪失者が保護された場合、警察が身元を調べて家族の元へ返すのが普通であるが、ごくまれに記憶喪失者の身元が全く判明しない場合がある。このような場合には取りあえずは生活保護を受けるなどして治療を行うが、長期間に渡って記憶が回復せず、身元も不明な場合には家庭裁判所に就籍許可申立を行い、仮名での戸籍を作ることができる。なお、本来は記憶喪失者を想定した制度ではなく捨て子や迷子などの身元不明者のための制度である。 申し立てが認められれば戸籍謄本と住民票が作成できるので、運転免許試験を受けて運転免許証の交付を受けることもできる。また、実印登録や不動産の登記や契約なども行うことができるので自動車や土地などを購入することも可能となる。 記憶喪失の状況如何によらず、身元が判明した場合には家庭裁判所に申告して仮の戸籍を抹消しなければならない。免許証などの交付を受けている場合はその旨を申告して再交付を受けなければならない。 根拠となる法律戸籍法第119条 戸籍法第110条第1項 判例水戸家庭裁判所昭和63年10月7日審判・昭和62年(家)第687号 詳細は就籍許可申立事件を参照
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