血液寒天培地とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 血液寒天培地の意味・解説 

血液寒天培地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/21 22:12 UTC 版)

血液寒天上の溶血性

血液寒天培地(けつえきかんてんばいち、英語:blood agar)とは増菌培地のひとつで、普通寒天培地には発育しにくい菌種の培養や溶血性を検査するのに用いられたりする培地である。

培地の組成および製法

普通血液寒天培地の場合

血液寒天培地の組成[1]
物質
肉エキス 10.0g
ペプトン 10.0g
塩化ナトリウム 3.0g
寒天 13.0g
1000ml

pH=7.2~7.4になるように調整する。 上記内容は、普通寒天培地で、これを作成後滅菌した後、50℃ぐらいに冷ましそこに5%~10%の割合で無菌保存血液または、脱繊維素血を加える。泡立てない様によく混合したのち、固まる前に平板培地または、斜面培地にする。[1]

使用する血液成分

血液寒天に使用される血液の種類としては、以下のような物がある。[1]

培養の方法

  • 培地は、平板培地または、斜面培地を用いる。
  • 培地は使用する前に、無菌試験等を行ない問題の無い物を用いる。
  • 好気条件下又は炭酸ガス培養において培養する(目的菌により温度・時間等が異なる)。[1]

主な菌の発育の性状

寒天培地における発育性状[1]
菌名 性状
大腸菌Escherichia coli 発育・β溶血することがある。
黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureus α・β・δ溶血を起こす事が多い。
化膿レンサ球菌Streptococcus pyogenes 小さなコロニー・強いβ溶血
肺炎レンサ球菌Streptococcus pneumoniae α溶血・コロニー周辺に緑色環を形成

血液寒天培地の種類

血液寒天培地の一種として次のような培地もある。

など[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f 岡田淳ほか (1994), 微生物学・臨床微生物学, 臨床検査技師講座, 22 (3rd ed.), 医歯薬出版, ISBN 4-263-22622-4 

関連項目



このページでは「ウィキペディア」から血液寒天培地を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から血液寒天培地を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から血液寒天培地 を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「血液寒天培地」の関連用語

血液寒天培地のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



血液寒天培地のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの血液寒天培地 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS