蒸散率・蒸散量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 02:40 UTC 版)
ある植物、特に農産物の生育期間における蒸散量の積算値を、その植物の最終的な乾燥重量で割った値を蒸散率という。主な農産物では、この値は200 - 1000程度である事が知られている (Martin, Leonard & Stamp 1976, p. 81)。蒸散量の計測には吸水計(ポトメーター、Potometer)が使われる。気温が高く乾燥した日には、一本の成木から1トン以上もの水分が蒸散により失われる。これは、根から吸収される水分のおよそ90 %に相当する。 砂漠の植物や針葉樹は、蒸散量を減らし水分を保持する為の様々な特徴、例えば発達したクチクラ層、小さな葉面積、埋没型の気孔などを備えている。多くの多肉植物は、葉ではなく主に多肉茎で光合成を行う為、植物体の表面積が非常に小さい。このような乾燥地帯の植物はCAM型光合成と呼ばれる特殊な光合成を行っており、昼間は気孔を閉じ、夜間に開いている。この方式により、CO2取り込みに伴う水分の損失を最小限に留めている。
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