草庵風茶室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 01:31 UTC 版)
草庵風茶室は、当時の民家に使われていた素朴な材料(丸太、竹、土壁など)を使って造られた。縁側からの採光を土壁でさえぎり、そこに必要に応じて「窓(下地窓、連子窓、突き上げ窓など)」をあけることにより光による自在な演出が可能となった。壁により室を閉じたことにより、強い光線を嫌って北向きに構えるそれまでの茶室に対し南向きに構えることも珍しくなくなる。一間幅を基本としていた床の間も部屋の広狭、構成に応じて四尺、五尺とバリエーションを増し、そのデザインも、「室床」「洞床」「壁床」「踏み込み床」など、多様な展開を見せる。室内には中柱を立て亭主座と客座の視覚的な結界とした。天井高も室面積に応じて低くなり、それに呼応するように天井のデザインも多様化する。こうして狭い空間の中に客と亭主が相対する、濃密な空間が生まれた。小間を追求する中で台目畳も生みだされ、より緊密な空間を生むことが可能になり、後には客畳と亭主畳の間に敷く中板も発明されて、平面のバリエーションはさらに増すこととなった。
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