船上研究区画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 15:19 UTC 版)
船上では単に深海底掘削を行うだけではなく、掘削試料を用いた分析を行うための研究区画も備えられている。研究区画は居住区後方に配されており、上階から順に、試料の分割を行う「ラボ・ルーフデッキ」、一次的な分析を行う「コア・プロセッシングデッキ」、さらに高度な分析を行う「ラボ・ストリートデッキ」、それらを管理する「ラボ・マネージメントデッキ」の全4デッキに分かれており、総床面積は約2,300m2。掘削・採取されたコアから生じる有毒ガス(硫化水素や炭化水素)に対処するための安全措置が講じられており、陰圧管理とされている。 コアの分析のため、X線コンピュータ断層撮影(CT)装置を搭載するが、これは医療用と同じものである。またサンプルの地磁気測定のため、船舶では世界初となる磁気シールド・ルームを備えている。ケイ素鋼板やコバルト系アモルフェス鋼板などによる4層の磁気シールドが施されており、地球磁場の100分の1、3.5ミリガウス以下に保たれている。また、船体動揺などの加速度のために、船上でサンプルの正確な質量を測定するのは困難とされていたが、本船では質量原器との比較補正によって正確な質量測定を可能にする計量器を開発し、搭載している。
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