臭いの効用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 13:55 UTC 版)
カメムシは、胸部第三節である後胸の、腹面にある臭腺から悪臭を伴う分泌液を飛散させる。この液にはアルデヒド、エステル、酢酸、炭化水素が含まれ、臭いの主成分はヘキサナールやトランス-2-ヘキセナールである。敵の攻撃など、外部からの刺激を受けると分泌され、捕食者に対しての防御であると考えられている。 群れでいるカメムシの場合、1匹が臭いを発すると、たちまちのうちに周辺一帯のカメムシが逃げ出す現象が見られる。高濃度のカメムシの臭いは、仲間に対しては警報の役割を果たしている。一方で、群れを作るカメムシの場合は、低濃度の臭いを集合フェロモンとして利用することが知られている。 カメムシの分泌液は、彼ら自身にとっても化学的に有害である。このため、カメムシの体表は、飛散させた液が自分の体に浸み込まないように厚いセメント層で保護されている。また、瓶の中にカメムシを入れ、つついて臭いを出させた後で蓋を閉めておくと失神、蓋を開ければ元気になるが放置すると死んでしまうことがある。 カメムシの分泌液は求愛にも利用される。 カメムシ学者の中には、臭いでカメムシの種類をかぎ分ける者もいる。 キバラヘリカメムシは、青リンゴのような匂いを放つ。
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