自閉スペクトラム指数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 08:57 UTC 版)
自閉スペクトラム指数(英語版) (AQ)とは、自閉度(自閉症傾向)を測る指標の一種。正常知能の成人を対象にしており、自己回答方式で、自分の「自閉症傾向」を測ることができる。 AQは自閉症傾向のスクリーニング用ツール、つまり、自閉かどうか診断する前の、おおまかなふるい分け用のツールなので、AQだけで自閉症であるかどうかの診断はできない。 AQ測定による調査でわかったこと社会人や大学生の中にも、少数だがAQ上でAS/HFA群と同じ程度の高得点を示す人がいる。 自閉症の診断を受けていない人にも、自閉症的な傾向を持つ人がいる。 AQで測定される自閉スペクトラム傾向にはかなりの個人差がある。 今後自閉症症状のメカニズムを解明する上で、アナログ研究的アプローチが可能である。 コントロール群の平均スコアは16.4 (♂ - 17、♀ - 15)。 自閉スペクトラム指数のカット・オフ点自閉スペクトラム指数で高得点(33点以上)をとった学生12名を診断したところ、12名中7名が自閉性障害またはアスペルガー障害の診断基準にあてはまった(ただし、生育史が不明であることと、現在不適応を起こしていないため、自閉性障害とは診断されていない)。 自閉スペクトラム指数33点以上には成人のアスペルガー症候群・高機能自閉症者群の9割近く (87.8%) が含まれるのに対し、健常群で33点以上をとるのはわずかに3%弱であることから、自閉スペクトラム指数のカット・オフ点(健常者と自閉症の識別点)は33点と決定された。 アスペルガー症候群の診断スクリーニングとして使用する場合、スコア26以下で有効に除外可能であることが示唆される。 自閉症の極端男性脳理論サイモン・バロン=コーエンは、自閉スペクトラム指数の調査結果から、「自閉症の極端男性脳理論」を提唱した。
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