臨界定数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 10:08 UTC 版)
「ファンデルワールスの状態方程式」の記事における「臨界定数」の解説
ファン・デル・ワールス方程式は気相-液相間の相転移を表現することが出来て、臨界点が存在する。臨界点は等温線の極大点と極小点が接近して消失する点を求めることで得られる。ファン・デル・ワールス方程式に基づいて計算される臨界温度 Tc、臨界圧力 pc、臨界体積 Vc は、ファン・デル・ワールス定数 a,b と T c = 8 a 27 b R , p c = a 27 b 2 , V c = 3 b {\displaystyle T_{\text{c}}={\frac {8a}{27bR}},~p_{\text{c}}={\frac {a}{27b^{2}}},~V_{c}=3b} の関係にある。 臨界定数の式を逆に解けば a = 3 p c V c 2 , b = V c 3 , R = 8 p c V c 3 T c {\displaystyle a=3p_{\text{c}}{V_{\text{c}}}^{2},~b={\frac {V_{\text{c}}}{3}},~R={\frac {8p_{\text{c}}V_{\text{c}}}{3T_{\text{c}}}}} として臨界定数から状態方程式のパラメータを決定することができる。ここでは係数 R を臨界定数から求められる調整パラメータとして扱っている。ただし、ファン・デル・ワールス方程式はあくまで近似式であるため、臨界定数から計算した R がモル気体定数と厳密には一致しない。R をモル気体定数に固定する場合は、臨界体積が V c calc = 3 R T c 8 p c {\displaystyle V_{\text{c}}^{\text{calc}}={\frac {3RT_{\text{c}}}{8p_{\text{c}}}}} によって求められるとみなせば、ファン・デル・ワールス定数 a,b は a = 3 p c ( V c calc ) 2 = 27 R 2 T c 2 64 p c {\displaystyle a=3p_{\text{c}}(V_{\text{c}}^{\text{calc}})^{2}={\frac {27R^{2}{T_{\text{c}}}^{2}}{64p_{\text{c}}}}} b = 1 3 V c calc = R T c 8 p c {\displaystyle b={\frac {1}{3}}V_{\text{c}}^{\text{calc}}={\frac {RT_{\text{c}}}{8p_{\text{c}}}}} で決定される。 主な気体の臨界定数、およびファンデルワールス定数気体Tc / Kpc / PaVc / m3 mol−1a / Pa m6 mol−2b / m3 mol−1空気132.5 3.766×106 88.1×10−6 135×10−3 36.6×10−6 ヘリウム He5.201 0.227×106 57.5×10−6 3.45×10−3 23.8×10−6 水素 H233.2 1.316×106 63.8×10−6 24.8×10−3 26.7×10−6 窒素 N2126.20 3.400×106 89.2×10−6 141×10−3 39.2×10−6 酸素 O2154.58 5.043×106 73.4×10−6 138×10−3 31.9×10−6 二酸化炭素 CO2304.21 7.383×106 94.4×10−6 365×10−3 42.8×10−6 水蒸気 H2O647.30 22.12×106 57.1×10−6 553×10−3 33.0×10−6
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