脳の性差
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 07:13 UTC 版)
近年では、脳レベルの性差についての研究、分析、評論も増えている。それに伴い「男脳」「女脳」、あるいは「システム脳」「共感脳」というような通念も(学術的・厳密でないものも多い)広く普及してきている。この差は、ヒトとしての進化の過程で狩猟採集生活が最も長期間であったため、そういった環境に適応した個体ほど生き残る確率が高かったことに起因すると考えられている。ただし、これが脳の構造に由来するか否かについては、まだ不明な点があり批判も多い。身体的な性別と脳の性別は必ずしも一致しない(男性脳あるいは女性脳傾向といった捉え方のほうがより妥当であると考えられる)ことや、生まれ育った環境にも影響されるということから、統計的な傾向とは異なった性質を示す個人もかなりの割合で存在する。そもそも、脳の性差は現代の科学では研究段階である為未解明の事も多く、脳の性差により個人の性質を断定する事は時期尚早である。東京大学教授の四本裕子は、男女の脳に形態的な差はなく、脳内部でのつながりには違いが認められるが、それが男女の認知や行動の違いにどう関わっているかまでは不明であるとしている。
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