脱メチル化酵素活性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 17:06 UTC 版)
生物の体細胞ゲノムはどれも同じだが、細胞は分化に伴い各細胞に特有の性質を持つようになる。遺伝子は同じなのに、発現するタンパク質が異なるからである。では、どうやって、このコントロール、つまり転写制御をしているのだろうか? これがエピジェネティクスという新しい学問の根本的な問いかけである。 ゲノムDNAには塩基性タンパク質のヒストンが、きつく巻きついている。このヒストンをほどくことで、ほどかれた部分のDNAが転写できるようになると考えられた。1964年にメチル化によるヒストンの化学的修飾が発見されたが、長い間、転写を不活性化するための恒常的な仕組みとみなされていた。しかし、ヒストンのメチル化をはずし、ヒストンをほどけば転写が起こる。ヒストンをほどくには、ヒストンを化学的にいじることになるが、そのいじり方の1つは脱メチル化である。しかし、ヒストンの脱メチル化酵素は、2004年、リジン特異的脱メチル化酵素(Lysine-specific demethylase 1、Lsd1)が発見されるまで その存在さえ、問われることがなかった。そして、2006年、Jmjd1aが、ヒストン脱メチル化酵素だと報告された 。
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