翼列数別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 17:07 UTC 版)
ラトー式 カーチス式 ラトー式は1列の静翼と1列の動翼の1組で1段落が構成されたものである。多段式ではこの段落が複数回繰り返されることになる。多段式タービンでは圧倒的にラトー式が採用されるが、その場合の初段だけはカーチス式が選ばれることがある。これはカーチス式では消化熱量が大きいために後の段落の構造設計が簡単になるためである。単段ラトー式タービンは少数ながら供給蒸気が低圧低温で排気圧が高く高速回転が求められる場合に採用される。 カーチス式は1列の静翼と2列の動翼の1組より成り、動-静-動の配置で1段落が構成されたもの、又は、2列の静翼と3列の動翼の1組より成り、動-静-動-静-動の配置で1段落が構成されたものである。例えば動-静-動の配置では最初の動翼で70%の動力を発生させて次の静翼で方向を戻した後、2列目の動翼で30%の動力を発生させる。3列目の動翼がある場合でも数%の動力を生じるだけである。比較的小型の蒸気タービンである単段式タービンの多くにカーチス式が採用され、豊富な供給熱量が得られたり復水器によって排気圧力を低くできる場合には二段カーチス式タービンも作られる。 最適に設計した場合の内部効率の最大値で比べれば、ラトー式が80 - 85%であるのに比べてカーチス式では75 - 80%であり、5 - 6%程度の差がある。カーチス式は効率の面で劣るが消化熱量が大きく取れるので、1,000馬力以下で4,500回転/分以下の非常用や予備機としての需要がある。カーチス式タービンは日本のメーカーだけが製造している。
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