織りと染色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 23:00 UTC 版)
「染織」も参照 織物の大半は染色の行程を伴う。染色には大きく分けて、糸の段階で染める「先染め」と、織った後に染める「後染め」がある。 あらかじめ染められた様々な色の糸を使って縞や格子、あるいはより複雑な文様を織り出す技法は古くから一般的であり、現代でもたとえばチェック柄やタータン等として普及している。タペストリー等では緯糸を横幅いっぱいではなく一部の経糸だけにかけて文様を表現する。錦のように、複数の色糸を組にして1本の緯糸もしくは経糸として扱い、必要な色だけを表面に出すことによって文様を表現する手法もある。縫取織は文様の部分だけに必要な色糸を加えて複雑な多色の文様を表現する。近代にはジャカード織機の発明によって、多色糸で文様を表現した織物を工業的に大量生産することが可能となった。 また、先染めの中でも、事前に絞り染めした糸を使って文様を表現する織物は絣(イカット)と呼ばれる。 後染めには、布全体を染料に浸ける「浸染」や、筆や型紙等を用いて染料を摺りつける「捺染」等がある。浸染によって文様を表現するために絞り染めや板締めによる防染(夾纈)、蝋や糊を用いた防染等の技法がある。筆を使う捺染技法には友禅等があり、型紙を用いるものに更紗等がある。現代ではシルクスクリーンを用いたプリント地の大量生産が行なわれている。
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