縄張り行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 22:43 UTC 版)
ティンバーゲンが研究した、トゲウオの一種であるイトヨの繁殖行動では、典型的な縄張り行動が見られる。繁殖期の雄は、水底の水草を使って巣を作り、その周囲を縄張りとする。他の雄が近づくと、これに対して突進して攻撃して排除しようとする。雌が近づくと、その前で独特のダンスをして雌を巣に誘い込もうとする。雌が巣に入って産卵すると、雄はその後に飛び込んで放精し、その後は卵を守る。 このように、動物がある決まった場所に居着いて、その周囲に一定の防衛圏を設定したものが縄張りである。縄張り防衛は、噛みつくなど、はっきりとした攻撃の形を取るものもあるが、はじめから攻撃せず、一定の威嚇や示威行動を伴う場合が多い。 春にウグイスがさえずるとき、数羽が交互に鳴き合うのを聞くが、あれは縄張り宣言の意味があり、遠くから宣言を聞かせることで、直接対決を避ける意味合いがある。また、顔を合わせてからも、魚であればまずひれを広げて誇示する行動を取るなど、儀式化した行動により直接の攻撃ではなく優劣を競うものがある。これらの場合にも、それらの行動は縄張りの防衛の効果を持っているから、防衛行動と見なす。 また、個体の行動範囲が決まっていても、特に防衛行動を取らず、同種の他個体ともその範囲が重なっているような場合、行動圏などと呼んで、縄張りとは見なさない。
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「縄張り行動」の例文・使い方・用例・文例
- 縄張り行動を見せるさま
- 縄張り行動
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