線形爆縮ピット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/16 01:10 UTC 版)
「ピット (核兵器)」の記事における「線形爆縮ピット」の解説
さらなる小型化を達成するため、線形爆縮が導入された。これは細長くした亜臨界状態のピットに両側から衝撃波を加えることで超臨界状態の球形に整形するもので、衝撃波の形状を精密に制御することによって核弾頭を大幅に小型化できるようになった。一方で、事故によって不意に爆薬が起爆したときに大規模な核爆発に至る可能性が高かった。これは、従来の球形ピットは爆縮が非対称になれば核爆発は起こらず核兵器本体が破壊されるだけであったのと比較すると安全面で劣っていた。このため実用化にあたっては特別な設計上の注意や安全性試験が必要になった。線形爆縮ピットは核兵器の小型軽量化に大きく貢献する高度な技術であり、これによってMIRVが実現できるようになった。線形爆縮ピットが最初に採用されたのはW47核弾頭であった。アメリカで最新の核弾頭であるW88にも採用されており、ピットの形状は回転楕円体になっている。 中国は1992年9月に非球形ピットを用いた核実験を成功させ、大きな技術的進歩を果たしたと言われている。
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