綱島志朗
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綱島 志朗 | |
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生誕 | 1978年12月14日(46歳)![]() |
国籍 | 日本 |
職業 | 漫画家 |
ジャンル | ロボット漫画 |
代表作 | 『ジンキ』シリーズ 『オリハルコン・レイカル』 |
公式サイト | 綱島志朗のケツバット祭り |
綱島 志朗(つなしま しろう、1978年12月14日 - )は、日本の漫画家。岡山県出身、現在は東京都在住。男性。代表作は『ジンキ』シリーズ、『オリハルコン・レイカル』。
人物・経歴
幼少の頃よりロボットアニメを視聴し感銘を受け、メカデザイナーを志すようになる。しかし、どうしたらメカデザイナーになれるかが分からなかったので、「漫画なら好きなことができるであろう」という考えに至り、漫画を描き始めたのが最初である。その後、漫画家を目指すため、両親の「1年」という期限付きで上京し、持ち込みを始め、3、4社目に持ち込んだエニックス(現・スクウェア・エニックス)の『月刊ガンガンWING』にて、他の連載漫画の休載による代原という形で、『ライフ・エラーズ』でデビュー。本人は、デビュー作からロボット漫画を描きたかったのだが、持ち込んだ時の担当に、「初連載でロボットものはないだろう」と言われ、そこで1、2年ほどキャラクターメインの『ライフ・エラーズ』を連載した後に、晴れて連載開始となった念願のロボット漫画が『ジンキ-人機-』である。
持ち込んでほぼすぐにデビューという流れであったため、アシスタント経験は無し。知り合いの手伝いでカットを描いた程度であるという。『TVアニメーション ジンキ・エクステンド スターターブック』巻中の綱島と安彦良和の対談の中で、安彦は「持ち込んだ段階で水準の力量を持っていたってことだよね。普通はすぐにデビューなんて出来ないでしょう。」と発言している。
初めてエニックスに持ち込んだ時に応対してくれた担当が、現在のマッグガーデン(エニックスお家騒動参照)の『コミックブレイド』編集長である宮本幸則であるが、後にその宮本の「この雑誌でのメカにキャラクターとしての人権はない」[1]という発言により、皮肉なことに『ジンキ・エクステンド』の『コミックブレイド』での連載が打ち切られてしまうこととなってしまった。なお、『コミックブレイド』側は「単行本9巻以降に関しての権利は一切主張しない」とのことであるため、『ジンキ・エクステンド』の雑誌移籍による連載再開に向け、出版社に持ち込みを掛けようとしていたところ、10社以上の出版社からオファーのメールを受けた[2]。その後メディアワークス刊『電撃萌王』2007年8月号にて連載再開決定が告知され、アスキー・メディアワークス刊『月刊コミック電撃大王』2008年5月号より『JINKI-真説-』とタイトルを変え、連載再開された。稀に見る2回に渡る掲載雑誌移籍という波乱(この前例の有名なものとして岡田芽武の『SHADOW SKILL』がある)を乗り越え、新たな場所での心機一転となる。
他にキャリアの大きな転機としては、自作『ジンキ』が2010年に戯画から『JINKI EXTEND Re:VISION』として成人向けPCゲーム化され、綱島自身が原画を担当したことが挙げられる。まったくの全年齢向け漫画が、成人向け作品のキャリアも無かった原作者自身によりアダルトゲーム化されるというのは当時も以後も異例のことであった。綱島はその後も戯画でのジンキシリーズ作品のほか同社オリジナル作品である『BALDRSKY"ZERO"』の原画も手がける等、仕事と表現の幅がより広がった。
画風に関しては、今風で、いわゆる萌え系とも取れる絵柄で、アニメのようなパキパキした色の塗り方(所謂アニメ塗り)である。前作『ジンキ-人機-』の序盤で自分の地を出してみたが(実際にその当時の単行本〈『ジンキ』1巻〉を見ると現在の絵柄とは違っているのがわかる〈特に女性キャラクター〉)、読者に受けなかったため、現在のような絵柄に意図的に変えたらしい。その甲斐あってか、感想を聞いた8割くらいの人がキャラクターを見てくれているらしい(前出『スターターブック』巻中の綱島の談による。安彦からは「参考にするものがあると言っても、ここまで絵柄を変えられるのは、やっぱり器用なんだろうね。」と言われている)。
塗りに関しては、以前はマーカーで塗っていたが、担当に薦められたマーカーがさっぱり使いこなせなかったため、現在はCGで着彩している。「早い話が自分の未熟さをごまかすため」と『綱島志朗画集 EXTEND』の巻末に綴っている。
綱島のローマ字表記はヘボン式表記の“Shirou Tsunashima”ではなく、訓令式表記の“Sirou Tunasima”になっている。
講談社『月刊マガジンZ』にて、『サクラ大戦』のコミカライズが発表、綱島が作画を担当する事が告知されていたが[3]、これは実現には至らなかった[4]。作品そのものは作者を政一九に変更し、2002年6月から『サクラ大戦漫画版』として同誌で連載を開始している。
作品リスト
漫画作品
連載
- ライフ・エラーズ(『ガンガンWING』1998年7月号 - 1999年9月号)
- ジンキシリーズ
- ジンキ(『ガンガンWING』2000年3月号 - 2001年11月号)
- ジンキ・エクステンド(『月刊コミックブレイド』2002年4月号 - 2006年8月号)
- JINKI-真説- FINAL EPISODE(『月刊コミック電撃大王』2008年5月号 - 12月号)
- ジンキ・エクステンド 〜リレイション〜(『月刊ドラゴンエイジ』2009年6月号より連載〈現在休載中〉)
- 人狼機ウィンヴルガ(『チャンピオンRED』2016年10月号 - 2022年6月号)
- 人狼機ウィンヴルガ 叛逆篇(『ヤングチャンピオン烈』2023年No.1 - 連載中)
- オリハルコン・レイカルシリーズ
- オリハルコン・レイカル(『ドラゴンエイジPure』Vol.3 - Vol.15)
- オリハルコン・レイカル DUO(『月刊ComicREX』2014年1月号 - 2016年4月号)
- 紫色のクオリア(原作:うえお久光、『月刊コミック電撃大王』2011年3月号 - 2013年10月号)
- マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス 帝都燃ゆ(原作:吉宗鋼紀、『電撃マブラヴ』Vol.1 - Vol.3)
- DARKNESS HEELS -Lili-(『ComicWalker』2021年4月23日 - 2022年3月15日)
- 勇者宇宙ソーグレーダー(『ファイアCROSS』2023年7月31日 - )
読み切り
- ヘブンズ(『ガンガンWING』1998年冬季号、2001年11月号) - ブレイドコミックス版『ジンキ』4巻に併録。
- クローンエンジェル(『ガンガンWING』2001年5月号) - ガンガンWINGコミックス版『ジンキ』4巻に併録。
- 勇者王ガオガイガー外伝 キングジェイダー -灼熱の不死鳥-(『ファイアCROSS』2022年9月22日 - 11月8日) - 前後編。
書籍
漫画単行本
- 『ライフ・エラーズ』、エニックス〈ガンガンWINGコミックス〉1999年、全2巻
- (新装版)マッグガーデン〈ブレイドコミックス〉2004年、全1巻
- ジンキシリーズ
- 『ジンキ』、エニックス〈ガンガンWINGコミックス〉2000年 - 2002年、全4巻
- (新装版)『ジンキ-人機-』、マッグガーデン〈ブレイドコミックス〉2005年、全4巻
- 『ジンキ・エクステンド』、マッグガーデン〈ブレイドコミックス〉2002年 - 2007年、全9巻
- 『JINKI-真説- FINAL EPISODE』、アスキー・メディアワークス〈電撃コミックス〉2008年、全1巻
- 『JINKI-真説-コンプリート・エディション』、アスキー・メディアワークス〈電撃コミックスEX〉2008年、全5巻、無印・エクステンド ベネズエラ編・真説を収録
- 『ジンキ・エクステンド 〜リレイション〜』、富士見書房〈ドラゴンコミックスエイジ〉2010年 - 、既刊5巻(2012年5月9日現在)
- 『JINKI EXTEND コンプリート・エディション』、アスキー・メディアワークス〈電撃コミックスEX〉2011年、全3巻、エクステンド 東京編を収録
- 『人狼機ウィンヴルガ』、秋田書店〈チャンピオンREDコミックス〉2017年 - 2021年、全10巻
- 『人狼機ウィンヴルガ 叛逆篇』、秋田書店〈チャンピオンREDコミックス〉2023年 - 、既刊3巻(2025年1月20日現在)
- 『ジンキ』、エニックス〈ガンガンWINGコミックス〉2000年 - 2002年、全4巻
- オリハルコン・レイカルシリーズ
- 『紫色のクオリア』、原作:うえお久光、アスキー・メディアワークス〈電撃コミックス〉2012年 - 2013年、全3巻
- 『マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス 帝都燃ゆ』、原作:吉宗鋼紀、アスキー・メディアワークス〈電撃コミックス〉2013年、全1巻
- 『DARKNESS HEELS -Lili-』、KADOKAWA、2022年、全2巻
その他の書籍
- 『EXTEND 綱島志朗画集』マッグガーデン、2025年7月発行、ISBN 4-86127-159-2
- 『綱島志朗画集 -ROAD-』アスキー・メディアワークス、2011年3月発行、 ISBN 978-4-04-870460-1
- 『TVアニメーション ジンキ・エクステンド スターターブック』マッグガーデン、2005年1月発行、 ISBN 4-86127-107-X
- 『TVアニメーション ジンキ・エクステンド パーフェクトガイドブック』マッグガーデン、2005年6月発行、 ISBN 4-86127-149-5
その他
- ジンキ・エクステンド EXTRA SIX(著:瀧川舜一、MAG-Garden NOVELS、2005年)挿絵
- Replay エムブリオマシンRPG(著:秋口ぎぐる、ジャイブ、2007年)挿絵
- 紫色のクオリア(著:うえお久光、電撃文庫、2009年)挿絵
- 勇者聖戦バーンガーン THE NOVEL(著:小太刀右京、ホビージャパン、2024年)挿絵
- マサミコブシ(奥井雅美のアルバム、2003年)ゲストイラスト[5]
- スーパーロボット大戦Z コミックアンソロジー(アンソロジーコミック、2008年)表紙イラスト
- スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター-(テレビアニメ、2010年)ED原画
- ALDNOAH.ZERO アンソロジーコミック 1巻(2014年)イラスト
- BALDRSKY CoreDefender 2009年(カレンダー)ゲストイラスト
- JINKI EXTEND Re:VISION(ゲーム、2010年)原画
- BALDR SKY ZERO(ゲーム、2013年)原画・キャラクターデザイン
- BALDR SKY ZERO2(ゲーム、2014年)原画・キャラクターデザイン
- ジンキ・リザレクション(ゲーム、2020年)原画
- 閃鋼のクラリアス(ゲーム、2021年)ゲストイラスト
- JINKI -Infinity-、JINKI -Unlimited-(ゲーム、2023年)原画
脚注
- ^ ケツバット再製日記、2007年1月15日(2007年2月6日時点のアーカイブ)
- ^ ケツバット再製日記、2007年2月15日(2007年2月20日時点のアーカイブ)
- ^ 講談社『月刊マガジンZ』1999年8月号、31頁
- ^ 講談社『月刊マガジンZ』1999年9月号、316頁
- ^ “2年の時を経て、【マサミコブシ】復活!”. KING AMUSEMENT CREATIVE|SONIC BLADE. キングレコード. 2022年3月4日閲覧。
外部リンク
- 綱島志朗公式サイト - 綱島志朗個人サイト。
- 綱島志朗のケツバット日記 - 綱島志朗個人ブログ。
- 綱島志朗 (@k2batto) - X(旧Twitter)
- 綱島志朗 - pixiv
- 綱島志朗のケツバット祭り - 綱島志朗個人サイト。閉鎖。(2009年1月23日時点のアーカイブ)
- “ドラゴンエイジブログ エイジリニューアル記念サイン会!! その1”. ドラゴンエイジブログ. 富士見書房 (2009年4月15日). 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月16日閲覧。
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