絶対値函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 05:41 UTC 版)
実数の絶対値が定める非負実数値函数 R ∋ x ↦ |x| ∈ R+ は至る所連続で、x = 0 を除き至る所微分可能である。また、区間 (−∞,0] 上で単調減少であり、区間 [0,+∞) で単調増加である。各実数とその反数の絶対値は同じ値であるから、絶対値函数は偶函数であり、それゆえ逆函数を持たない。この実絶対値函数は区分線型凸函数である。また、冪等である。 符号函数 sign(x) を用いれば、|x| = x⋅sign(x) と書ける。また x = |x|⋅sign(x) であり、x ≠ 0 のとき sign(x) = x/|x| = |x|/x が成り立つ。 x ≠ 0 における導函数 d | x | / d x = { 1 ( x > 0 ) − 1 ( x < 0 ) {\displaystyle d|x|/dx={\begin{cases}1&(x>0)\\-1&(x<0)\end{cases}}} は sign(x)(あるいは本質的にヘヴィサイドの階段関数)であり、定義可能な範囲 (−∞, 0) ∪ (0, ∞) における連続函数であるが、x = 0 における値をどのように定めるとしても R 全体で連続な函数へ延長することは出来ない。 x = 0 における |x| の劣微分係数は、区間 [−1,1] である:31–32。 |x| の x に関する二階導函数は x = 0 を除く至る所存在して零に等しい(x = 0 では存在しない)。しかし超函数微分の意味での二階導函数はディラックデルタの二倍に等しい。 また絶対値函数は任意区間で可積分であり、その原始函数が ∫ | x | d x = 1 2 x | x | + C {\displaystyle \int |x|\,dx={\frac {1}{2}}x|x|+C} で与えられることも右辺を微分することにより直ちに確かめられる。
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