結石の核は微生物か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 02:21 UTC 版)
微生物が尿路結石の核となりうるかどうか議論された。事のはじまりは、1998年にフィンランドの研究者らが、ヒトの腎臓結石からナノバクテリアと名付けた細菌を分離したと発表したことである。続いて2004年4月に、岡山大学病院泌尿器科の研究者らは、ヒトの尿路結石の中に、燐灰石(リン酸カルシウム)の殻を持つ微生物の存在を確認したと発表した。これは先のフィンランドの実験を踏襲した再実験であった。議論の焦点は、これらの実験手法の是非や、微生物がいたから、それが結石の核になったという、既存の学説を大きく揺るがす仮説であった。 後の2008年に、同じく岡山大学の公文祐巳らは、注目を集めてきた物体は生物ではないと発表した。この物体は、大きさが数十から数百ナノメートルと小さく、本当に生物かどうかの議論が続いていた。公文らは結石を培養しガンマ線を当てたところ、10ナノメートルぐらいの核となる部分に脂質が酸化して積み重なり、あたかも生物が自己増殖するように振る舞ったが、微生物説の根拠とするためのDNAは見つからなかった。
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