糖類の活性化剤としての O-グリコシル-トリクロロアセトイミデート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/02 05:52 UTC 版)
「トリクロロアセトニトリル」の記事における「糖類の活性化剤としての O-グリコシル-トリクロロアセトイミデート」の解説
R. R. Schmidt と共同研究者は、O-保護ヘキソピラノース (グルコース、ガラクトース、マンノース、グルコサミン、ガラクトサミン)、ヘキソフラノース、ペントピラノースの塩基存在下でのトリクロロアセトニトリルによる選択的アノマー活性化、および酸触媒下でのグリコシル化について述べている。 炭酸カリウムを塩基とする速度論的制御の下では 、β-トリクロロアセトイミデートが選択的に形成されるが、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、または水酸化カリウムを使用し、相間移動触媒の存在下では、α-トリクロロアセトイミデートのみが得られる (熱力学的に制御される)。 トリクロロアセトイミデートは、-40℃から室温で、三フッ化ホウ素エーテル錯体を含むジクロロメタン中で O-保護糖と反応する。 この方法は通常、銀塩を使用するケーニヒ-クノール法 (Koenigs–Knorr reaction)や、問題のある水銀塩を使用するヘルフェリッヒ法 (Helferich method) より優れた結果をもたらす。アノマー中心で反転が起こるので、、反応によりβ-O-グリコシドが生成される (α-トリクロロアセトイミデートを使用する場合)。トリクロロアセトイミデート法は、穏やかな条件下で非常に良好な収率で立体的に均一なグリコシドを生成する。 チオ酢酸は追加の酸触媒がなくてもアセチル保護されたα-ガラクトシルトリクロロアセトイミデートと反応する。(保護基の開裂後)チオグリコシドから容易に 1-チオ-β-O-D-ガラクトースが得られる。これはアミノ酸のラセミ体の分離にも有用である。 トリクロロアセトニトリルは20世紀前半までは重要な燻蒸剤であったが、今日ではこの用途では時代遅れになっている。
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