精衛填海
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 03:37 UTC 版)
「読山海経」其十精衛銜微木将以填滄海 精衛、微木を銜(ふく)み将(まさ)に以(もつ)て滄海を填めんとす 形夭無干歳猛志固常在 形(からだ)は夭(わかじに)し干歳を舞わし猛志固(もと)より常に在り 同物既無慮化去不復悔 物に同じきも既に慮(おもんぱか)る無く化し去るも復(ま)た悔いず 徒設在昔心良辰詎可待 徒(いたづら)に在昔(ざいせき)の心を設(まう)くも良辰(りょうしん)詎(なん)ぞ待つべけん 女娃の故事から、不可能な企ての実現に努めるが遂に徒労に終わる事の喩えとして「精衛海を填(うづ)む」(精衛填海(せいえいてんかい))という成語が生まれ、これはまた「精衛石を啣(ふく)む」(精衛啣石(せいえいかんせき))」ともいう。 南朝宋の陶淵明も「読山海経」と題する連作五言詩の第10首でこの故事を詠むが(右参照)、人外(物)に変じても尚激しい意志(猛志)を持ち続ける彼女を謳い上げつつもその意志の報われる朝(良辰)は決して迎えられないであろうと結ぶ事で、詳細は不明であるが彼女の「猛志」に重ねた晴らされざらむ自身の鬱憤を諦念を混えて吐露したものであったと考えられる。 なお、逆にこの故事を悲壮な状況へ陥落した後も強靱にして不屈の意思を示すものと肯定的に解する向きもある。
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